平成12年に宝塚にて開業後、兵庫県児童養護施設の一つである「御殿山ひかりの家」の子供たちに歯科矯正治療ならびに予防指導をするようになりました。
平成24年5月、この地に診療所を移設するにあたり、平成24年1~3月にかけて兵庫県児童養護施設と神戸市児童養護施設の全施設、約30施設を訪問してまいりました。目的は、それぞれの施設の子供たちに正しいかみ合わせとキレイな歯並びをプレゼントして差し上げたいと考えたからです。
歯科矯正はご存知の通り、社会保険の対象ではありません。
自費治療であるが故に「歯並びを整えたい」「学校検診で指摘」されても国ならびに県、市からの補助金(措置費)ではまかなえきれないそうです。
この子供たちが将来、顔から発するコンプレックスを生じさせることなく、社会にりっぱな成人として活躍できるよう、お役に立てないか、という気持ちからの運動です。
各施設をまわり、現場から「子供たちに夢をもたせたい」という話を聞きました。
各界でご活躍中の方々にご登場頂き、子供たちにご自身の夢を語っていただく、職場を見せていただく、体験をさせていただくなどの催しを企画していこうと考えております。村上龍さんの著書「13歳のハローワーク」の実地版とでも言ったものかもしれません。地域連携で、輪を広げながら未来を担う子供たちの底上げをしていこうとも考えています。
温かい目で見守り下さい。
平成21年「ひかりの家」出身の高校生だった女子には、歯科矯正の治療と並行して、様々な職種の大人たち(ボランティア)と一緒になって学習支援し、看護大学に進学。各種奨学金のもと、平成27年春、看護師と保健師の両国家試験に合格。神戸の公的病院に就職し、社会還元できる存在となりました。
その子から、こんなアドバイスをもらっています。
「先生、一人でも多くの子供の良いところを引っ張りだしてあげて」と。
このような子供を通して、自分の生き方を教わった気がしております。